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2007 年度多変数の微分積分学2, 多変数の微分積分学演習2 試験問題
担当    桂田 祐史
2008年1月29日 (火曜) 13:00〜15:00
ノート等持込不可, 解答用紙のみ提出

1. (1) $ \R^2$ の有界部分集合 $ X$ で、Jordan 可測でないものの例をあげよ。 また、それが Jordan 可測でないと判断できる理由を簡単に説明せよ。 (2) $ \R^2$ の有界部分集合 $ Y$ で、 (i) $ Y$ はJordan 可測、(ii) $ Y$ のJordan 測度 $ \mu_2(Y)$ は正、 (iii) $ Y$ は閉方体でない、という条件を満たすものの例をあげよ。 また $ Y$ が Jordan 可測であると判断できる理由を簡単に説明せよ。


2. (1) $ (0,0)$, $ (2,0)$, $ (2,1)$ を頂点とする三角形 $ \Omega$ に対して、 $ I=\dsp\dint_\Omega 3x^2 y\;\DxDy$ を求めよ。 (2) $ J=\dsp\int_{0}^{\sqrt{\pi}}
\left(\int_{y/2}^{\sqrt{\pi}/2}\sin\left(x^2\right)\;\Dx\right)\Dy$ の値を求めよ。
(3) $ z=x^2+y^2$ $ z=1-x^2-y^2$ で囲まれた範囲 $ \Omega$ の体積を求めよ。


3. $ (0,0)$, $ (1,0)$, $ (0,1)$ を頂点とする三角形 (内部及び周) を $ D$, $ (0,0)$, $ (12,11)$, $ (14,13)$ を 頂点とする三角形 (内部及び周) を $ \Omega$ とするとき、 以下の問に答えよ。
(1) $ \dsp\dint_D u\;\D u \D v$, $ \dsp\dint_D v\;\D u \D v$ を 空間図形の体積と解釈して値を求めよ。 (2) $ \Vector{\varphi}(u,v)=
\begin{pmatrix}
a & b\\
c & d
\end{pmatrix}\begin{pmatrix}u  v \end{pmatrix}$ ($ a$, $ b$, $ c$, $ d$ は定数) の形をしている $ \Vector{\varphi}
\colon\R^2\to\R^2$ で、 $ \Vector{\varphi}(D)=\Omega$ を満たすものを1つ求めよ。
(3) $ \Omega$ の面積を求めよ。 (4) 変数変換を利用して、 $ \dsp\dint_\Omega x\;\DxDy$ を求めよ。


4. (1) $ \Vector{\varphi}(r,\theta,\phi)=
(r\sin\theta\cos\phi,r\sin\theta\sin\phi,r\cos\theta)^T$ の ヤコビアンを計算して求めよ。
(2) $ \Omega=\{(x,y,z); x^2+y^2+z^2\le 1\}$ とするとき、 $ \dsp\tint_\Omega\frac{\log\left(x^2+y^2+z^2\right)}{\sqrt{x^2+y^2+z^2\;}}
\;\DxDyDz$ を求めよ。
(3) $ \Omega=\{(x,y,z); x^2+y^2+z^2\ge 1\}$ とするとき、 $ \dsp\tint_{\Omega}\frac{\log\left(x^2+y^2+z^2\right)}{\left(x^2+y^2+z^2
\right)^2}\DxDyDz$ を求めよ。


5. $ \R^3$ のベクトル場 $ \Vector{f}$ を、

$\displaystyle \Vector{f}(x,y,z)
:=\left(x(x^2+y^2+z^2),y(x^2+y^2+z^2),z(x^2+y^2+z^2)\right)^T
$

で定めるとき、以下の問に答えよ。
(1) $ \rot\Vector{f}$ を定義に従い計算して求めよ。 (2) $ \R^3$ が単連結であることを説明せよ。 (3) 原点を始点、 $ \Vector{x}=(x,y,z)^T$ を終点とする 有向線分を $ C_{\Vector{x}}$ とするとき、 $ \dsp\int_{C_{\Vector{x}}}\Vector{f}\cdot\D\Vector{r}$ を求めよ。 (4) 曲線 $ C\colon\Vector{r}=\Vector{\varphi}(t)=(\sin t,\cos t,
\pi^2-t^2)$ ( $ t\in [-\pi,\pi]$) に対して、 $ \dsp\int_{C}\Vector{f}\cdot \D\Vector{r}$ を求めよ。


6. パラメーター曲面 \begin{displaymath}S\colon\Vector{r}=\Vector{\varphi}(u,v)=
\left(
\begin{array}{c}
R\cos u\cos v  R\cos u\sin v R\sin u
\end{array}\right)\end{displaymath} ( $ (u,v)\in[-\pi/2,\pi/2]\times[-\pi,\pi]$) について (ただし $ R$ は正定数とする)、以下の問に答えよ。

(1)
$ \dfrac{\rd\Vector{\varphi}}{\rd u}
\times\dfrac{\rd\Vector{\varphi}}{\rd v}$ $ \left\Vert\dfrac{\rd\Vector{\varphi}}{\rd u}
\times\dfrac{\rd\Vector{\varphi}}{\rd v}\right\Vert$ を求めよ (途中経過をある程度書くこと)。
(2)
上の結果を用いて、$ S$ の曲面積を求めよ。




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Masashi Katsurada
平成20年2月12日