next up previous
Next: 1.2 内点 で極値を取れば Up: 1 極値問題 Previous: 1 極値問題

1.1 まずは問題から

$ K$$ \R^2$ 内の3点 $ (0,0)$, $ (1,0)$, $ (0,1)$ を頂点とする三角形 とする: $ K=\{(x,y)\in\R^2\; x\ge 0, y\ge 0, x+y\le 1\}$. $ f\colon K\to\R$

$\displaystyle f(x,y)=3x^2+2y^2+2xy -2x-2y+1
$

で定めるとき、$ f$ の最大値、$ f$ の最小値を求めよ。

とりあえず微分してみましょう。

$\displaystyle f'(x,y)=\left(\frac{\rd f}{\rd x} \frac{\rd f}{\rd y}\right)
=\left(6x+2y-2 4y+2x-2\right).
$

これから

$\displaystyle f'(x,y)=0\quad\Iff\quad
(x,y)=\left(\frac{1}{5},\frac{2}{5}\right).
$

さて、ここからどうしたら良いか? 1変数関数の場合のような増減表は書けない。 そもそも $ f'$ の符号を調べるというのが、 どう多変数関数に拡張したら良いか分からない ($ f'(x,y)$ はベクトルなので)。

しかし
$ f$ が定義域の内点 $ a$ で極大 (or 極小) ならば $ f'(a)=0$
は多変数関数でも成立する (すぐ後で証明する)。

また
$ f'(a)=0$, $ a$ の十分近くで $ f''>0$ $ \Then$ $ f$$ a$ で極小
は多変数関数への拡張が出来る (今回、定理を紹介する)。


next up previous
Next: 1.2 内点 で極値を取れば Up: 1 極値問題 Previous: 1 極値問題
Masashi Katsurada
平成23年7月17日