next up previous
Next: メモ Up: 多変数の微分積分学1 第4回 Previous: それから…

開集合、閉集合復習


\begin{jdefinition}[開球、閉球]
$a\in\R^n$, $r>0$\ に対して、
\begin{displaymat...
...ight\}
\end{displaymath}を $a$\ 中心、半径 $r$\ の閉球とよぶ。
\end{jdefinition}

$ n=1$ のとき、 $ B(a;r)=(a-r,a+r)$, $ \overline B(a;r)=[a-r,a+r]$.


\begin{jdefinition}[開集合, 閉集合]
$A\subset \R^n$\ とする。
\begin{enumerate}...
...minus A$\ が $\R^n$\ の開集合であることをいう。
\end{enumerate}\end{jdefinition}

次の命題は便利である。

\begin{jproposition}[とても便利: 連続関数による逆像の開集合、閉集合の判定]
$f\c...
...n\R^n; f(x)=c\}$\ は $\R^n$\ の
閉集合である。
\end{enumerate}\end{jproposition}
この命題の証明は次回にまわす。 これを使って次の有名かつ重要な命題を証明する。


\begin{jproposition}
(1) $\R^n$\ の開球は開集合である。
(2) $\R^n$\ の閉球は閉集合である。
\end{jproposition}

Proof.
(1)
$ a\in\R^n$, $ r>0$ とするとき、

$\displaystyle B(a;r)=\{x\in\R^n; \left\Vert x-a\right\Vert<r\}
$

は、 $ f\colon\R^2\ni(x,y)\mapsto\left\Vert x-a\right\Vert^2
=\dsp \sum_{j=1}^n\left(x_j-a_j\right)^2 \in\R$ (これは多項式関数だから連続) を用いて、

$\displaystyle B(a;r)=\{x\in\R^n; f(x)<r^2\}
$

と表されるので、開球 $ B(a;r)$$ \R^n$ の開集合である。
(2)
同様に

$\displaystyle \overline B(a;r)
=\left\{x\in\R^n; \Vert x-a\Vert\le r\right\}
=\{x\in\R^n; f(x)\le r^2\}
$

であるから、閉球 $ B(a;r)$$ \R^n$ の閉集合である。 $ \qedsymbol$
ARRAY(0xf673b4) $ \qedsymbol$


next up previous
Next: メモ Up: 多変数の微分積分学1 第4回 Previous: それから…
Masashi Katsurada
平成23年6月2日