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定理の証明

( $ \Leftarrow$) 任意の $ i\in\{1,\dots,m\}$ に対して、 $ \left\vert f_i(x)-A_i\right\vert\le\left\Vert\vec f(x)-\vec A\right\Vert$ であるから、 $ \dsp\lim_{x\to a}\vec f(x)=A$ であれば、 $ \dsp\lim_{x\to a}f_i(x)=A_i$.

( $ \Rightarrow$) $ \forall\eps>0$ に対して、 $ \exists\delta_1,\dots,\delta_m>0$ s.t.

$\displaystyle \left\vert x-a\right\vert\le\delta_i\quad\Then\quad
\left\vert f_i(x)-A_i\right\vert<\sum_{j=1}^m\frac{\eps}{m}=\frac{\eps}{m}.
$

$ \delta:=\min\{\delta_1,\dots,\delta_m\}$ とおくと、$ \delta>0$ で、 $ \left\vert x-a\right\vert<\delta$ であれば、 $ \left\vert f_i(x)-A_i\right\vert<\dfrac{\eps}{m}$ ( $ i=1,\dots,m$) であるから、

$\displaystyle \left\Vert\vec f(x)-\vec A\right\Vert
\le\sum_{j=1}^m\left\vert f_j(x)-A_j\right\vert<\eps.\qed
$

この定理から、以下のような系が得られる。

$ \vec f$$ a$ (あるいは $ I$) で連続であるための必要十分条件は、 $ \forall i\in\{1,\dots,m\}$ に対して、 $ f_i$$ a$ (あるいは $ I$) で連続なことである。

$ \vec f$$ a$ (あるいは $ I$) で微分可能であるための必要十分条件は、 $ \forall i\in\{1,\dots,m\}$ に対して、 $ f_i$$ a$ (あるいは $ I$) で微分可能なことである。 また $ \vec f'(a)=\begin{pmatrix}f_1'(a)\\ \vdots\\
f_m'(a)\end{pmatrix}$.


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Masashi Katsurada
平成23年6月2日