数理リテラシー (2018年度)

 「数理リテラシー」は明治大学現象数理学科の学生を対象とした、 論理・集合・写像の入門講義です (シラバス, 全体のシラバスは 総合数理学部 授業時間割表・シラバス にあります)。 2組の授業は、水曜4限に310号室で行われます。

 授業の内容に対する質問などは別にして、静粛が原則です。 (本当は丁々発止するのが良いと思っていて、 合いの手とか、感想を漏らしてくれるのは歓迎するところなのだけど、 誰でも出来るものではないかも。) 板書がおかしいとか、部屋が暑いとか、マイク音が入っていないとか、 言ってくれると助かります。

連絡事項

講義ノート

 昨年度の講義ノートを更新しながら使用するつもりです (必要な場合は、講義した日の晩に加筆・修正する --- 桂田の努力目標)。

 ほぼ毎週(初回と中間試験以外)宿題を出します。 水曜に出されたものを、 次の週の月曜 13:30 までに、 低層棟3階レポート提出BOXに投函すること。 1組と間違えないように注意して下さい。 万一、締め切りに間に合わなかった場合、 火曜日の18:00までに910号室に持ってきて直接手渡しするか、 メールボックスに投函してもらえれば、半分にカウントします。 (水曜は研究室にいるかどうか不明)。

 毎週、出した宿題はここに載せることにしてあるのですが、 うっかり置きそびれたり、リンクを貼り忘れたりすることがあります (そういうときは、ごめんなさい)。そういうときは、メールでリクエストして下さい。

  1. (2018/4/18出題, 4/23までに提出)
  2. (2018/4/25出題, 5/7までに提出) 問(1)と(2)の(a),(b)が宿題。 (2)の(c),(d)と(3)は次回以降。
  3. (2018/5/9出題, 5/14までに提出)
  4. (2018/5/16出題, 5/21までに提出)
  5. (2018/5/23出題, 5/28までに提出) 問5(4)最後の$2^A$, (5) は次回以降にします。
  6. (2018/5/30出題, 6/4までに提出), 問6解説 (授業中に配布したプリントに間違いがあって訂正したので、 念のため訂正版をWWWにおきます。)
  7. (2018/6/6出題, 6/11までに提出)
  8. (2018/6/13出題, 6/18までに提出)
  9. (2018/6/27出題, 7/2までに提出)
  10. (2018/7/4出題, 7/9までに提出)
  11. (2018/7/11出題, 7/16までに提出)

 授業では問の解説のプリントを配布することもあるけれど、 それはここには載せないことにします。

資料・リンク

授業の記録

  1. (2018/4/11) イントロダクション(30分), 命題論理に入る。講義ノートの1.3まで。
  2. (2018/4/18) 「かつ」、真理値表の書き方、真理値表を用いた証明、 同値変形による証明。問1を宿題として出す。
  3. (2018/4/25) 問1の解説。「ならば」。述語論理に入って、 述語とは何か。$\forall x\quad p(x)$と $\exists x\quad p(x)$. 複数の量称記号の例まではいかない。
  4. (2018/5/9) 問2の解説。複数の量称記号を含む命題。 $\forall x \forall y P(x,y)$, $\forall x \exists y P(x,y)$, $\exists x \forall y P(x,y)$, $\exists x \exists y P(x,y)$. 式を順に機械的に読むことを推奨する。 「任意の○に対して」、「ある□が存在して」。 証明の書き方 ($\forall x$: $P(x)$) とあったら、 「$P(x)$ が成り立つような任意の $x$ に対して」と書き始める。 ($\exists x$: $P(x)$) とあったら $P(x)$ を満たす $x$ の発見問題と みなす。
  5. (2018/5/16) 問3解説。 前回の補足: 量称記号を含む論理式の否定 「$\forall$は$\exists$ に、$\exists$ は $\forall$に置き換え、 最後の条件を否定する。」 「$\neg(\forall x\ P(x))\equiv \exists x\neg P(x)$, $\neg(\exists x\ P(x))\equiv \forall x\neg P(x)$.」 2章「集合」に入る。 集合は長い歴史を持つ数学にとっては比較的新しめの概念である。 この講義では、 数学の言語としての集合、 素朴な集合論 (naive set theory) を説明する (←→公理的集合論)。 要素、$\in$, $\not\in$, 集合の表し方。外延的定義。内包的定義 $\{x\mid P(x)\}$。 集合の相等, 部分集合 $\subset$
  6. (2018/5/23) 問4解説。集合の記法の補足(よく使われる変種 $\{x\mid P(x),Q(x)\}$, $\{x\in A\mid P(x)\}$, $\{f(x)\mid P(x)\}$), 部分集合の補足 (証明など), 空集合 (意外に難しい「空集合は任意の集合の部分集合」), 和集合(合併) $A\cup B$, 積集合(共通部分、交わり) $A\cap B$, 差集合 $A\setminus B=A-B$, 補集合 $A^c$, 直積集合 $A\times B$
  7. (2018/5/30) 問5解説。 ベキ集号。$A$ が有限集合の場合、$|2^A|=2^{|A|}$ ($|A|$ で $A$ の要素数を表すとして). 集合の集合を、 集合族 (a family of sets) とか、集合の類 (a class of sets) という。 ${\cal A}=\left\{A_n\mid n\in\mathbb{N}\right\}$ の場合の、 共通部分、合併の定義。例として、 $A_n=\{x\mid -1/n\lt x\lt 1/n\}$. $A_n=\{x\mid -n\lt x\lt n\}$ の場合をあげた。
  8. (2018/6/6) 中間試験についてアナウンス。 問6解説。途中で、§2.10に入る。 集合に関する定理をどのように証明するか。 ヴェン図は証明と認めない。 この講義では、論理について詳しく説明して、 それに基づいて集合の合併、共通部分、補集合などを定義したので、 原則としてそこから続いた議論としたい。 そもそもヴェン図は、集合の数が増えると一般の場合が描けなかったりする。 集合の等式 $A=B$ の証明は、 (i) $A\subset B$ (「$x\in A$ とすると」でスタートして「$x\in B$」がゴール) と (ii) $B\subset A$ (「$x\in B$ とすると」でスタートして「$x\in A$」がゴール) を言うのが基本。 一気に $x\in A\Leftrightarrow x\in B$ が示せる場合もある。 例として、分配法則、ド・モルガンの法則、 「$A\subset B\Leftrightarrow A\cap B=A$」の証明を説明した。 問6(2)の証明部分を説明する (それは集合の等式)。 アルキメデスの公理の説明をする (うっかりして忘れていた)。問7(2) について説明。 集合の等式の証明であるから、書き出しと、最後の部分は書けるはず。 全部出来なくてもそれは書いてみよう(白紙はやめよう)。
  9. (2018/6/13) おっと、書かないと。
  10. (2018/6/20) 中間試験
  11. (2018/6/27)

過去問

 注意: 過去の中間試験では、試験範囲に写像が入っていましたが、 2015, 2017年度は、論理と集合だけです。

 練習が大事です。解答例を読むのでなくて、 書き写すとか、解答を見ないで書いてみて後でチェックするとか、 人と議論するとか、 自分から何らかの形でアウトプットしてみることが必要でしょう (脳内限定はダメです)。 授業に出て真剣にノートを取って (だから板書を撮るのはあまり勧められない)、 宿題を自分で解いて提出して、 返却されたものを検討していれば自然にそうしているはずですが、 どこかでサボった人が単位を取るには、 後からでも、それを補う必要があるはずです。


katurada@meiji.ac.jp (@はASCIIの@)
Last modified: Mon Aug 20 15:10:30 2018