1 Fourier級数の部分和のグラフを描く

(講義ノート桂田 [1] にも書いてあるので、 そちらも参考にして下さい。)


周期 $ 2\pi$ の関数 $ f$ , $ g$

      $\displaystyle f(x):=\left\vert x\right\vert$   ( $ x\in[-\pi,\pi)$ )$\displaystyle ,\quad g(x):=\sign x= \left\{ \begin{array}[tb]{ll} -1 & \text{($...
...}  0 & \text{($x=0,-\pi$)}  -1 & \text{($x\in(0,\pi)$)} \end{array} \right.$

で定めるとき、$ f$ $ g$ の Fourier 級数の部分和のグラフを描いてみよう。

複数の関数を扱うので、$ F$ の Fourier 級数を $ S[F](x)$ と書くことにしよう。 つまり、 $ F\colon\mathbb{R}\to\mathbb{C}$ を周期 $ 2\pi$ の関数とするとき、

$\displaystyle S[F](x):=\frac{a_0}{2}+\sum_{n=1}^\infty
\left(a_n\cos nx+b_n\si...
...pi F(x)\cos nx\;\Dx,\quad
b_n:=\frac{1}{\pi}\int_{-\pi}^\pi F(x)\sin nx\;\Dx.
$

今日のテーマは Fourier 級数を求めることではないので、途中経過は付録に 回して、答を書くと

(1)   $\displaystyle S[f](x) =\frac{\pi}{2}-\frac{4}{\pi}\left( \frac{\cos x}{1^2}+\frac{\cos 3x}{3^2}+\frac{\cos 5x}{5^2}+\cdots \right),$
(2)   $\displaystyle S[g](x)=\frac{\pi}{4} \left( \frac{\sin x}{1}+\frac{\sin 3x}{3}+\frac{\sin 5x}{5}+\cdots \right).$

Mathematica で、 Fourier 級数の $ n$ 項までの部分和を計算する関数 sf[n,x], sg[n,x] を作ってみよう。

$ S[f]$ , $ S[g]$ の部分和を計算する関数を定義
sf[n_, x_] := Pi/2 - 4/Pi Sum[Cos[k x]/k^2, {k, 1, n, 2}]
sg[n_, x_] := 4/Pi Sum[Sin[k x]/k, {k, 1, n, 2}]
{k, 1, n, 2} の最後の $ \textcolor{red}{2}$ は、 $ k$ $ 2$ ずつ増やすことを意味する。

グラフを描くには Plot[] を用いれば良い。 周期 $ 2\pi$ なので、例えば $ [-\pi,\pi]$ の範囲で描けば十分であるが、 3周期分描くことにする。
$ S[f]$ , $ S[g]$ の部分和のグラフを描く
g1=Plot[sf[10,x],{x,-3Pi,3Pi}]
g2=Plot[sg[10,x],{x,-3Pi,3Pi}]

図を保存するには、 例えば Export["~/Desktop/f10.png", g1] のようにする (~/Desktop/ はデスクトップへの保存, 書類に保存するには ~/Documents/)。

細かく点を取りたいときは PlotPoints->点の個数 を指定する。 $ n$ を増やしてどう変わるか見たければ Manipulate[] を使う。
$ S[g]$ の部分和のグラフ -- 項数を増やすとどう変わる?
Manipulate[Plot[sg[n, x], {x, -Pi, Pi}, PlotPoints -> 200], {n, 1, 100, 1}]



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桂田 祐史
2017-11-29