0.0.0.1 A1

留数を用いて定積分を計算する方法の中で、 複素対数関数を利用するものがある。例えば

$\displaystyle \int_0^\infty f(x)\;\Dx
=-\sum_{c\in\mathbb{C}\setminus[0,\infty)}
\Res(f(z)\log z;c).
$

ただし $ \log$ は偏角の範囲を $ (0,2\pi)$ に選んだ複素対数関数である ( $ z\in\mathbb{C}\setminus[0,\infty)$ $ z=r e^{i\theta}$ ($ r>0$, $ \theta\in(0,2\pi)$) と極形式で表示した場合に、 $ \log z=\log r+i\theta$)。$ f$ についての仮定を書くのはさぼる (大体は桂田[1]の§1.2に書いてある)。 この公式がなぜ成り立つか根拠を説明し、 この公式を用いて

$\displaystyle I=\int_0^\infty\frac{\Dx}{x^5+1}
$

を計算せよ。計算は意外と面倒なので、 Mathematica を積極的に利用することを勧める (例えば $ z^5=-1$ の解を求めるなど)。



桂田 祐史