細かいけど大事な話: 記号について

まず、そのまま入力&表示できるものとして、

!     "     '     (     )     -     =     `     @      [     ]     +     *     ;     :     ?     ,     .
がある (マイナス - は、1文字の場合、2文字連続の場合、 3文字連続の場合で、 それぞれハイフン \fbox{-}, en-dash \fbox{-}, em-dash \fbox{-} となるので、 そのまま入力できるものと考えるべきではないかもしれない。 もっとも通常、マイナスは数式中に現われるものだから 「$-$ と書く」と覚えるべきかも。)。


(hyphen は、単語の結合や複合語の表記に用いる。 例えば \fbox{Navier-Stokes equation} の - はハイフン。 en-dash は、範囲の指定や、関係を表す。 \fbox{pp. 12-34} とか。 em-dash は、文中で説明を挿入する場合に用いる。 カンマとか、カッコを使ったりするのと似た用途。 https://www.merriam-webster.com/grammar/em-dash-en-dash-how-to-use)


一方、シャープ # などは、そのまま入力したのではダメで、 これはバックスラッシュ \を前につけて \ # と入力する必要がある (\でエスケープする、という)。 同様にエスケープする必要がある文字としては、

#     $     %     &     _     {     }
がある。

$$ で囲んで、数式モードで扱うべき文字としては

$ \vert$     $ <$     $ >$     $ -$
がある。

難しいのは次の3 文字で、 これを表示するには、(右側に書いた)専用のコマンドを用いなければいけない。

~ \textasciitilde
\ \textbackslash
^ \textasciicircum

~ は、そのままでは、 非割り込みスペース (non-breaking space) というものになる。 これはそこで改行をさせない空白ということである (Mr.~Ishiba は、 Mr. Ishiba と Mr. の後に空白が空き、Mr. の後すぐに改行されることはない)。 バックスラッシュをつけて \~a とすると、 ã のように、a の上にチルダがつく、 いわゆるアクセントになる。


日本人専用の応急処置として、 難しい文字の入力には漢字を使う、という手がある (やや幅広になってしまうけれど)。 #$%&_{}|<>〜\という感じで簡単。



桂田 祐史