5.12 行列、ベクトル、場合分けの $ \{$

行列や (縦) ベクトルでは、式 (成分) を「きれいに並べる」必要がある。 このためには、array 環境や matrix 環境を用いる (縦ベクトルは、列の個数が $ 1$ である行列とみなす)。 また括弧 $ ($ $ )$ (あるいは $ [$ , $ ]$ , $ \{$ , $ \}$ ) は \left と \right を使って拡大する。

$\displaystyle \left(
\begin{array}{cc}
a & b \\
c & d
\end{array} \right)
\left(
\begin{array}{c}
x \\
y
\end{array} \right)
$

array環境を用いて行列を書く
\[
 \left(
  \begin{array}{cc}
     a & b \\
     c & d
  \end{array}
 \right)
 \left(
  \begin{array}{c}
     x \\
     y
  \end{array}
 \right)
\]
または AMS 拡張に含まれる pmatrix 環境を用いても良い。
pmatrix環境を用いて行列を書く
\documentclass[12pt,leqno]{jarticle}
...
\usepackage{amsmath}% プリアンブルに書く
...
\begin{document}
...
\[
  \begin{pmatrix}
     a & b \\
     c & d
  \end{pmatrix}
  \begin{pmatrix}
     x \\
     y
  \end{pmatrix}
\]

pmatrix 環境の方が使い方は簡単だが11、 array 環境は左寄せ (l)、 中央揃え (c)、右寄せ (r) など細かい制御ができる。

なお

$\displaystyle \vert x\vert=
\left\{
\begin{array}{rl}%
x & \text{($x\ge 0$\ のとき)}\\
-x & \text{($x<0$\ のとき)}
\end{array} \right.
$

も似た感じで出力できる。
\[
 |x|=
 \left\{
 \begin{array}{rl}% 1 でなく l (エルLの小文字) left の頭文字なので
   x & \text{($x\ge 0$ のとき)}\\
  -x & \text{($x<0$ のとき)}
 \end{array}
 \right. % 右側は括弧なし (ドット . が重要)
\]
他に cases 環境というのもあるが、 右寄せ、中央寄せなど細かい指定は出来ない。
\[
 |x|=
 \begin{cases}
   x & \text{($x\ge 0$ のとき)}\\
   -x & \text{($x< 0$ のとき)}
 \end{cases}
\]

桂田 祐史
2016-04-22