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10 おまけ -- 実際的な誤差の推測

急速に $ \alpha$ に収束する列 $ \{x_n\}_{n\in\N}$ があるとき、

$\displaystyle \eps_n\DefEq \Vert x_n-\alpha\Vert
$

で定義される誤差の大きさについて、十分先の番号 $ n$ に対しては

$\displaystyle \eps_{n+1} \ll \eps_n
$

が成り立つので、

$\displaystyle \Vert x_n-x_{n+1}\Vert \le \Vert x_n-\alpha\Vert+\Vert x_{n+1}-\alpha\Vert =
\eps_n+\eps_{n+1} \kinji \eps_n.
$

よって

$\displaystyle \Vert x_n-x_{n+1}\Vert
$

$ x_n$ の誤差の大きさ $ \eps_n$ の見積りとすることが出来る。

急速に収束しない列の場合はどうか?例えば $ n$ を分割数とした時の差分 法の解 $ u^{(n)}$ などでは、この仮定が成り立たないと思われる。 そういう場合は例えば

$\displaystyle x_j \DefEq u^{(2^j)}
$

とすることによって、同じテクニックが使える。つまり例えば $ n=512$ のと きの近似解と $ n=1024$ の時の近似解の差の大きさを、$ n=512$ の時の近似解 の誤差の大きさの見積りとすることが出来る。


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Masashi Katsurada
平成23年4月29日