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5 典型的なスキーム (2) 線形多段法

(この節は工事中というか、大工事が必要と考えて欲しい。)

$ k$ 段法の公式のところで、$ \Phi$ が線形の場合、 すなわち

$\displaystyle d_0 x_j+d_1 x_{j+1}+\cdots+d_k x_{j+k}=
h \left(\beta_0 f_j+\beta_1 f_{j+1}+\cdots+\beta_k f_{j+k}\right)
$

線形多段法 (linear multistep method) と言う。ただし $ f_j:=f(t_j,x_j)$ .

$ \rho(\lambda)\DefEq d_0+d_1\lambda+\cdots+d_k\lambda^k$ の根 $ \lambda_1,\cdots,\lambda_k$ について

$\displaystyle \vert\lambda_i\vert\le 1$   $\displaystyle \mbox{($i=1,\cdots,k$)}$

という条件が安定条件である。

多段法には以下の特徴がある。

(i).
出発にあたって、未知の値 $ x_1$ , $ \cdots$ , $ x_{k-1}$ を何らの方法で求 めねばならない。
(ii).
計算の途中で stepsize $ h$ を変更するのが難しい。
(iii).
ステップあたりの $ f$ の計算回数が少ないままで、高次の公式が作れる。
(iv).
安定性に注意が必要。



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桂田 祐史
2015-05-30