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4.2 定義と Stetter の行列表現

前節に解説したタイプの公式のうち、$ k=1$ の場合、 すなわち $ 1$ 段法を Runge-Kutta 型公式という。 いくつかの $ (t,x)$ について、右辺の $ f(t,x)$ を計算し、 それらの重みつき平均によって、適当な次数の (=その次数までの 真の解の Taylor 展開と一致するような)公式を作っている。 具体的には Runge-Kutta 型公式の一般形は

$\displaystyle \left\{
\begin{array}{lll}
x_{j+1}&=x_j+h\dsp\sum_{i=1}^s \mu_i...
...=1}^s\beta_{i
\ell}k_\ell\right)
& \hbox{($i=1,\cdots,s$)}
\end{array}\right.
$

の形に書くことが出来る。ここで $ s$ 段数 (number of stages) と呼ぶ。段数とは、要するに $ 1$ ステップ先に進めるために必要な $ f$ の計算回数である6

上の式は、 $ k_1$ , $ k_2$ , $ \cdots$ , $ k_s$ についての $ s$ 元連立1次方程式を解いて、 その重みつき平均を $ x_j$ に足して $ x_{j+1}$ を求める、 という手順で使うことになる。

段数 $ s$ と係数 $ \{\alpha_i; 1\le i\le s\}$ , $ \{\beta_{i j}; 1\le i,
j\le s\}$ , $ \{\mu_i; 1\le i\le s\}$ を選ぶとスキームが定まることになる。 それら係数を並べた

\begin{displaymath}
\begin{array}{c}
\alpha_1\\
\alpha_2\\
\vdots \\
\alp...
...{2 s}\\
\vdots \\
\beta_{s s}\\
\mu_s
\end{array}\right.
\end{displaymath}

のような表を Stetter の行列表現 (Stetter's notation) と 呼ぶ7

公式が前進型 (陽的explicit)であるとは

$\displaystyle i\le j\quad\Then\quad \beta_{i j}=0
$

が成り立つことを言う8。 このとき、$ k_1$ , $ k_2$ , $ \cdots$ , $ k_s$ の順に容易に計算できる。

公式が前進型でない場合、 公式が陰的 (implicit) であるという。 陰的な場合でも

$\displaystyle i<j\quad\Then\quad \beta_{i j}=0
$

が成り立つ9場合は 半陰的 (semi-implicit) であるという。


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桂田 祐史
2015-05-30