前節に解説したタイプの公式のうち、 の場合、 すなわち 段法を Runge-Kutta 型公式という。 いくつかの について、右辺の を計算し、 それらの重みつき平均によって、適当な次数の (=その次数までの 真の解の Taylor 展開と一致するような)公式を作っている。 具体的には Runge-Kutta 型公式の一般形は
の形に書くことが出来る。ここで を段数 (number of stages) と呼ぶ。段数とは、要するに ステップ先に進めるために必要な の計算回数である6。
上の式は、 , , , についての 元連立1次方程式を解いて、 その重みつき平均を に足して を求める、 という手順で使うことになる。
段数 と係数 , , を選ぶとスキームが定まることになる。 それら係数を並べた
のような表を Stetter の行列表現 (Stetter's notation) と 呼ぶ7。
公式が前進型 (陽的、explicit)であるとは
が成り立つことを言う8。 このとき、 , , , の順に容易に計算できる。
公式が前進型でない場合、 公式が陰的 (implicit) であるという。 陰的な場合でも
が成り立つ9場合は 半陰的 (semi-implicit) であるという。