イメージ・データの TeX への取り込み ---- jpeg2ps のすすめ

 TeX にイメージ・データを貼り付ける方法について簡単にまとめておく。

TeX の側

 もちろん graphicx パッケージを使うのが基本である。

  ¥usepackage[dvips]{graphicx}
あるいは
  ¥usepackage[dviout]{graphicx}

JPEG フォーマットと jpeg2ps の勧め

 イメージ・ファイルのフォーマットには、Windows BMP, gif, tiff, jpeg, png など色々ある。 現時点の私のお奨めは、最初が何であれ jpeg に変換してから (最初が BMP だったりすると、 これでかなりファイルのサイズを小さくすることができる)、 jpeg2ps で PostScript に直して取り込む、というやり方である。 二度続けて変換するのは品質を落としそうだが、 実は最近の PostScript は 内部に jpeg データを含むことができるようになっていて (JPEG データをラップすると言った方が分かりやすいか)、 jpeg2ps はそれをやっているだけなので、 実際にデータの内容を変更するのは、 最初に jpeg に変換している過程だけである。 もちろん最初から jpeg でデータを作った場合は、 実質的に無変換で PostScript データになるわけである。

イメージファイルの JPEG フォーマットへの変換

 それでは、 jpeg 以外のイメージ・データをどうやって jpeg に変換するかであるが、 素の Windows であればペイントを使うのが最も簡単であろう (名前をつけて保存のところで出力の形式が選択できる)。 UNIX 環境 (含む Cygwin) であれば、 ImageMagic に含まれている convert を使うのが簡単である。使い方は
      convert nantoka.bmp nantoka.jpg
      convert nantoka.gif nantoka.jpg
      convert nantoka.png nantoka.jpg
という感じで、出力ファイル名の拡張子を jpg にするだけである。後は
      jpeg2ps nantoka.jpg > nantoka.eps

昔は PostScript に jpeg を埋め込むことができなかったため、 以上の手段は使えず、結構面倒だった… それがなかった頃の古い情報が残っているので注意。

jpeg2psの入手

Windows で CUI の jpeg2ps を使う

(1) 作業用のコマンドプロンプトの準備

 WINDOWS に標準で含まれている「コマンドプロンプト」への ショート・カットをデスクトップに作ることを勧める。具体的には、

  1. 「スタートメニュー」の「すべてのプログラム」で「アクセサリ」を選ぶと、 「コマンドプロンプト」が見つかるはず。 これを右クリックしてデスクトップまでドラッグして、「ここにコピー」を選ぶ。
  2. それから、 デスクトップ上の「コマンドプロンプト」アイコンを右クリックして、 プロパティを選び、 作業フォルダとして、画像ファイルの置いてあるフォルダを指定する。
  3. ここまで準備しておいて、 「コマンドプロンプト」アイコンを普通にダブルクリックして起動すると、 昔懐かしい MS-DOS に似たウィンドウが現れる。 このとき "カレントディレクトリィ" は、 上で指定した作業フォルダになっているはず。 ここでは dir, copy, mkdir, cd など、 MS-DOS でおなじみのコマンドが使える。

(2) jpeg2ps.exe のインストール

 要するに PATH の通っているフォルダにコピーするだけである。 乱暴にやるのならば、 絶対に PATH が通っているはずの C:¥WINDOWS¥SYSTEM32 にコピーすることも できるが (少し怖いですね)、次のいずれかをお勧めする。

  1. 「コマンドプロンプト」のウィンドウの中で path Enter とすると、 環境変数 PATH の内容が表示される。 この中でたとえば TeX 関係のフォルダが出て来れば、 そこに入れるのがよい。
  2. 「コマンドプロンプト」の作業フォルダ自身にコピーするというのもある。 ただし作業フォルダが複数ある場合、やや面倒。
  3. (正攻法) 適当なフォルダを作り、 そのフォルダを環境変数 PATH に登録する。 環境変数の登録は、次のようにやる。 [コントロールパネル] -> [システムのプロパティ] -> [詳細設定] ->[環境変数] で、Path を探し、編集を選んで、自分が作ったフォルダを追加する。 慎重さが要求される。

(3) 使用編

 「コマンドプロンプト」アイコンをクリックしてウィンドウを開く。 dir コマンドなどで jpeg ファイル名を確認してから

    jpeg2ps nantoka.jpg > nantoka.eps
のようなコマンドをタイプする。 不等号 > の右側に作成したいファイル名を書くわけである。 どういう名前をつけるかは基本的には自由だが、 拡張子を .ps または .eps にしておくべきである。

Windows のウィンドウをイメージ・ファイルにする

 キーボードから PrtScr を入力すると (ノートパソコンのキーボードでは同時に Fn キーを押す必要があることも多い) スクリーン全体、 Alt+PrtScr を入力するとアクティブなウィンドウのみを クリップ・ボードにコピーする。 それからペイントなどの画像を扱うソフトにペーストすれば良い。


mk atmark math.meiji.ac.jp
Last modified: Tue Apr 14 23:22:22 2009