桂田 祐史
Date: 2005年7月9日
ハイラー・ワナー [1] を使ったゼミで、 , を計算する話が出て来た。
佐々木正敏著『ゆっくり考えよう! 高校総合学習の数学 -- 教育現場からの提案』 (講談社, 2003) でも取り上げられていた話題である。
例えば正五角形の作図法1からも2分かるように の , がルート を使って正確に表すことができる。 一方、 の , は有名なので、 半角の公式から の , も ルートを使って正確に表すことができる。 後は加法定理を使って の , もルートを使って正確に表すことができる。 したがって、ルートの計算さえできれば , の値が計算できる。
以上述べたストーリーにそって計算しよう。
ここまで来ると、 , , , が計算したくなるが、 正多角形の定規とコンパスによる作図の理論から、 これらはルート を使うだけでは表現できないことが (現代の我々にとっては明解に) 分かる。
もちろん、
半角の公式を使って、半分の角度の , を求めることは簡単である。
に注目すると、
一段前の角のときの のほぼ半分になっていることが見て取れる。
のとき
であるから、
これは自然なことである。
これから、
という
近似が考えられる。
試してみたのが次の結果である
(正しい桁を赤字で示した)。
ところで、
もしも円周率 が精密に求まっているのならば、
という素朴な近似で
ちなみに とするとき、