50 LuaLaTeX を使う     (おまけ AIに有名な問題の先行研究を尋ねてみる)

クレイ研究所の懸賞問題のうち、Navier-Stokes 方程式が解かれたのでは? という噂が飛び交っていて、Riemann予想は良く聞くけれど、 珍しいなあ、と思い、 Chappy 君に三次元領域における Navier-Stokes 方程式の初期値問題、 初期値境界値問題の適切性の研究について質問してみた。
クレイ研究所の懸賞問題のうち、Navier-Stokes方程式について、 AIにより解決されたという噂が出ています。 そこで3次元領域におけるNavier-Stokes方程式(非圧縮性の場合) の初期値問題あるいは初期値境界値問題の適切性についての、 先行研究についてまとめたレポートを作って下さい。
  • 形式は LaTeX
  • 多分 Leray あたりが最初の成果と思われますが、 全部で10個程度の研究について、何がわかったか、どういう手法を用いたか。 説明して下さい。
  • 参考文献表をつけて下さい。
  • 今回の噂はさておき、懸賞問題に取り組む道筋について、 どういうものが考えられるか(有望そうか)説明して下さい。

LATEX でと指定したけれど、 LuaLaTeX でやろうとして (ああ、そうかあ)、何か問題があったのか (組版失敗?日本語だから?)、 途中で xelatex に切り替えて、うんうんうなり出して、 途中でトークン切れ。あららら。 Chappy 君は日本語 LATEX 苦手だよね。


気を取り直して Claude 君にやらせたら、さらっと作ってくれた。 こちらもLuaLaTeX + ltjsarticle という選択。
lualatex ns_survey
11ページのPDFだけれど、何か速いな。time で測ったら 1.458 total. あれー、ずっと昔やったとき、もっとずっと時間がかかるような気がしたけれど、 速いね。

(肝心の中身だけれど、出だしは懐かしい論文の紹介が多いけれど、 そのうちに知らない論文の話になって、最後の方でテレンス・タオとか出て来て、 へー。論文PDFを入手したりした。あ、Kato先生の単著のが手に入らない。 紙のコピーは持っているはずだけど…)


Chappy君が目覚めた。もう組版はいいから .tex だけちょうだい。
xelatex navier_stokes_report.tex
こちらは 14 ページで、0.932 total.

もっと速いんだ。


…これは長い文書で性能測らないと。 普段 uplatex+dvipdfmx で処理している講義ノート (369ページ) を LuaLaTeX で処理してみたら、 13.621 total. これなら普段使いしても問題ないじゃない。 uplatex よりは遅いんだけど、直接 PDF を生成するので(dvipdfmx は不要となって)、 トータルでは1秒くらいの差しかない。

なんだ、LuaLaTeX が問題なく使えそうだ。乗り換えてみるかな?

.tex をどう書き換えるかだけど、まず
\documentclass[12pt,leqno,dvipdfmx]{ujarticle}
としていたのを
\documentclass[12pt,leqno]{ltjsarticle}
とする。

dvipdfmx というドライバーをオプション指定していたところは削る。 例えば
\usepackage[dvipdfmx,%
bookmarks=true,bookmarksnumbered=true,bookmarkstype=toc,%
colorlinks=true,%
%colorlinks=false,%
linkcolor=blue,%
citecolor=blue,%
filecolor=blue,%
pagecolor=blue,%
urlcolor=blue%
]{hyperref}
%
\usepackage{pxjahyper}
は
\usepackage[%
bookmarks=true,bookmarksnumbered=true,bookmarkstype=toc,%
colorlinks=true,%
%colorlinks=false,%
linkcolor=blue,%
citecolor=blue,%
filecolor=blue,%
pagecolor=blue,%
urlcolor=blue%
]{hyperref}
とか (とりあえずこれで通る)。

ルビ関係はどうするべきか。 pxrubrica というパッケージがお勧めとか。 これについては、後で書く。


(Chappy 君のレポートは、話題の GPT-6 Astra 使ってみたのだけれど、 数学的内容はともかく日本語表現は Claude 君の方が自然かな。 ともあれ、先行研究に関するほどほどの長さの解説文が気軽に 2つ入手できた。 Navier-Stokes ならば有名だから、しかるべき論説文みたいのがあるかもしれないが、 それほどメジャーでない話題についても、やってくれるということかな。 色々試してみよう。)


(2026/9/9追記) Navier-Stokes方程式の問題については、なんだか得体のしれない、 読んでいて気分が悪くなる状況になってしまいました。 本当のところはどういうことだったのか、 当事者でない者としては知りようがないので、何かを書くつもりはありませんが。

数学の歴史上有名な3次方程式の解の公式ゴシップについては、 本当のことは分からないし、そもそもゴシップに興味はなく、 数学的事実だけに興味がある、という態度を取ることにしているのだけれど、 自分が生きているうちに起こったことについては、 大変複雑な気持ちになってしまいます。


AMS の会長が出て来て、声明中で
“Alpöge and Buckmaster, with the final steps taken by OpenAI mathematicians”
と言ったとか。これで手を打ちましょう、なんですかね。えーと、なるべく大元を
American Mathematical Society @amermathsoc
https://x.com/amermathsoc/status/2097380478349463939

The news today of progress on resolving the Navier-Stokes problem, one of mathematics' great longstanding challenges concerning the equations that govern the flow of fluids, represents a milestone advance in human knowledge. This story began with Navier, Stokes, Leray, and Ladyzhenskaya and has culminated in the recent breakthroughs of Córdoba and Martíez-Zoroa, then -- assisted by new technologies -- Alpöge and Buckmaster, with the final steps taken by OpenAI mathematicians. The purpose of mathematics is human understanding, and this achievement, and the process that led to it, will bear fruit for a long time to come.

Ravi Vakil, President of the AMS, and John Meier, CEO of the AMS

Read more. Link in comments.

https://www.ams.org/news?news_id=7686

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「流体の流れを支配する方程式に関する数学の長年の難問の一つである ナビエ・ストークス問題の解決に向けた進展に関する今日のニュースは、 人類の知識における画期的な進歩を意味します。この物語はナビエ、 ストークス、ルレイ、ラディジェンスカヤから始まり、 最近のコルドバとマルティネス=ゾロアの画期的な発見、 そして新たな技術の助けを借りたアルポーゲとバックマスター、 そしてOpenAIの数学者による最終的なステップで頂点に達しました。 数学の目的は人間の理解であり、 この成果とそれに至る過程は、今後長く実りをもたらすでしょう。」

桂田 祐史