next up previous
Next: 4 なかなか解決しない Mac での Up: 2025年のコンピューターノウハウ (Mac) Previous: 2 MacTeX 2025が来ました (ただのリンク)

3 MATLAB の MEX を体験することになった

久しぶりに MATLAB を使うことになった。 色々やっていて、ふと 「Bidiagonalization of a matrix based on Lapack interface」 にあるものを試してみようと考えた。 

>> a=[1,2;3,4;5,6;7,8];
>> [Q,B,P]=bidiag_lapack (a)

関数または変数 'bidiag_lapack' が認識されません。

ああ、MATLAB には bidiag_lapack() があるわけじゃなくて、 それを提供する、ということか。ダウンロードして展開。 

% ls -l bidiag_lapack_interface
total 240
-rw-r--r--@ 1 mk  staff   6054  9 11  2014 bidiag_lapack.m
-rw-r--r--@ 1 mk  staff    477  9 11  2014 bidiag.m
-rw-r--r--@ 1 mk  staff  86772  9 11  2014 lapack.c
-rw-r--r--  1 mk  staff   1078  4  4 10:59 lapack.log
-rw-r--r--@ 1 mk  staff   5928  9 11  2014 lapack.m
-rw-r--r--@ 1 mk  staff   1826  9 11  2014 lbidiag.m
-rw-r--r--@ 1 mk  staff   1311  9 11  2014 license.txt

LAPACK のサブルーチンを呼んで、 与えられた行列を二重対角化をするための関数を提供するが、 1つだけ C のプログラム lapack.c というのがあり、 それをコンパイルして使う。
lapack.c の注釈を読む
/* To build on Windows, run:                                              */
/*   mex lapack.c                                                         */
/*                                                                        */
/* To build on any other operating system, run:                           */
/*   mex -ldl lapack.c

MEX というのは、MATLAB Executable を略して出来た用語で、 “MATLAB上で外部の制御機器を制御するための関数で、 C言語やFortran言語で記述されることが多いです。” だそうです。 

cp -pr bidiag_lapack_interface ~/Documents/MATLAB

>> cd bidiag_lapack_interface
>> mex -ldl lapack.c
警告: Xcode is installed, but its license has not been accepted.
Run Xcode and accept its license agreement.
 
次を使用中のエラー: mex
サポートされているコンパイラが検出されません。オプションについて
は、https://www.mathworks.com/support/compilers を参照してください。

あれ？あ、そうか、この Mac は Xcode のインストールを強制されなかったやつだ。 Command Line Tool の cc だけじゃいけないのかな？ まあ、Xcode を排除する強い理由もないので (他の Mac にはみなインストールしてある)、 インストールするか。

(しばし Xcode のインストールが終わるのを待つ。)

やり直し
>> mex -ldl lapack.c
'Xcode with Clang' でビルドしています。
ld: warning: search path '/usr/local/lib' is not a directory

ld: warning: search path '/usr/local/lib' is not a directory

MEX は正常に完了しました。
おっとっと。 /usr/local/lib というディレクトリィががない状態で、 何か (GLSC かな)　インストールして、 /usr/local/lib というファイルが出来たと。 あ、/usr/local/include もある。要お掃除。 
sudo rm -f /usr/local/lib /usr/local/include
sudo mkdir /usr/local/lib /usr/local/include
こうしてからやり直すと警告は出ない。もっとも /usr/local/lib に何かファイルが出来るわけではない。 lapack.c と同じディレクトリィに lapack.mexmaca64 というファイルが出来ている。 

>> [Q,B,P]=bidiag_lapack (a)

Q =

    0.1091    0.8295   -0.3945   -0.3800
    0.3273    0.4392    0.2428    0.8007
    0.5455    0.0488    0.6979   -0.4614
    0.7638   -0.3416   -0.5462    0.0407


B =

    9.1652   10.9109
         0    0.9759
         0         0
         0         0


P =

   1.0000 + 0.0000i   0.0000 + 0.0000i
   0.0000 + 0.0000i   1.0000 + 0.0000i

>> Q*B*P'-a

ans =

   1.0e-14 *

    0.0888    0.5329
         0    0.0888
    0.1776    0.3553
    0.0888    0.3553

>>

まあ、無事に動いたようだ。行列のサイズを大きくして試す。 
>> a=rand(100,100);
>> [Q,B,P]=bidiag_lapack(a);
>> norm(Q*B*P'-a)

ans =

   2.4587e-14

>>


桂田 祐史