勉強・研究が面白いと感じている、もっと深いことをやりたい、という学部生には、
無理のない範囲で大学院に進学することを考えてみたら?
と勧めることにしています。
博士前期課程は2年かけるのが普通なので、
進学すると社会に出るのが2年遅れることになりますが、
それが不利になることはほとんどなく、
反対に有利になることの方が多いです
(ただし、景気が急に悪くなって就職が難しくなる、ようなことは考えていません)。
大事なことを注意しておきます。
社会に出るのを少し先延ばしにしたい、
いわゆるモラトリアムのために進学を考える人が一定の割合でいますが、
そういう人は進学するのをやめた方がよい、ということです。
そうであること、そうでないことがはっきり分かる場合は良いのですが、
どちらであるか見極めるのが本人でも難しい場合があります。
- 大学院は学部より一段厳しく、
優秀な人が真剣に研究に取り組んでいても、
壁にぶつかって苦しい思いをすることが少なくありません。
覚悟が必要です。
- 進学して何を研究するのか、自分でやりたいことを説明できるか、
は一つの判断基準になると思われます。
入学手続きの際に「研究計画書」というのを提出しますが、
それを自分で書くことが出来るでしょうか?
進学をしようと言う人に
- 進学することを決意したときから、
どういう修士論文を書くか、折にふれて意識しましょう。
学部を卒業して、大学院に進学してから始まると考えるのでは遅すぎます。
(最近は就活の開始が早いこともあり、時間的な余裕があまりありません。)
- どこに行くか、色々な選択肢があります。
先端研現象数理学専攻でも、指導教員は学部の時と同じである必要はありません。
他の専攻に行っても良いし、他大学に行くことも考えるべきです。
私は、先端研に進学することを第一志望とする人に対しても、
他大学の院に進学することを検討するように勧めています。
桂田 祐史