論文の読み方
桂田 祐史
Date: 2018年2月24日, 2018年2月24日
- 論文はテキストと比べて読みにくいことは珍しくない、と覚悟すること。
一方で何のために書かれたものかは分かりやすい(だから面白い)場合が多い。
- どの論文を読むか決めるために論文サーフィンする場面、
一つの論文を深く読みこむ場面、
必要な情報を探し出す場面、色々ある。
- どういう場面でも、「この論文には何が書かれているの?」と聞かれたら、
手短かに答えられるようにしておくこと。
- 「〇〇について扱っている論文です。」
- 「〇〇について□□という方法で解析した論文です。」
- 「〇〇について□□という方法で解析して、
△△であると結論を述べた論文です。」
- 「〇〇について□□という方法で解析して、△△である、
と述べた論文です。その方法は以下のようなものです…」
もちろん読み込むに従い、詳しく答えられるようになるはずだが、
最初のうちだからと言って、
「まだ読んでいる途中なので何も分かりません」はダメな解答
(それはマズイ読み方をしている証拠)。
「なぜ重要なのか?」「何がウリなのか?」「なぜ読むのか」にも答えられるように。
- 読む必要がない論文に長い時間を割いてはいけない。見切りは必要。
- 基本的な語彙が分からないために読みにくいということは珍しくない。
言葉の調査はあらゆる手段を使って真剣にやること。
- 良く分からない場合もメモしておくことを強く勧める。
自分の体を通しておくと、解決するヒントに出会ったときに気がつきやすい。
- ある論文を時間をかけて読むと決めたら、
参考文献表に載っている文献は、無理なく集められる範囲で入手してしまう。
その論文を読んでもなかなか分からないことが、
著者の以前の論文にさらっと書いてあったことは全然珍しくない。
トータルでは時間の節約になる。
- 論文は英語であっても、
テキストは日本語で定評のあるものが入手できるかもしれない。
けれど英語でも探すことを勧める。英語で探さないのはダメ。
- 特に数学の論文でない場合には
- 式を書いてくれなかったり、
式が書いてあってもバラバラの場所にちらばっていることが珍しくない。
一式まとめて書こう (例えば、微分方程式の初期値境界値問題の場合、
微分方程式、境界条件、初期条件をもれなく、重複なく書き出してみよう)。
- 仮定が分かりにくいことも多い。専門用語でちょろっと書いてあるだけとか。
用語の意味を調べたり、それを式で書き直すことが必要なことがある。
桂田 祐史
2018-02-24